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歌劇(ヅカ.OSK)オタでジャニオタでアニオタの独り言。スタジオライフ、2.5次元も嗜みます。主観で好きなことを好きなだけ書いてます。

【観劇】飛龍は合理的手段 八月納涼歌舞伎「新・水滸伝」【歌舞伎座】

8月納涼歌舞伎、千穐楽おめでとうございました!

9月の演目が始まるというのに、今更ですがいつもの如く備忘録。

今回歌舞伎は三回目!隼人くんが宙乗りするよ、とのことだったので、それはみたい!と思っていたら、イープラス貸切のお知らせ!

歌舞伎では初めてだそうです、イープラスの全館貸切。では買いましょう、と思い立ったのが、もう席を見て選べる日だったので悩みながら二階のやや下手側を選択。

過去の歌舞伎観劇、二回宙乗りを見ているので、まあお約束で宙乗りはおそらく花道と舞台の間からとんで、3階の上の方に入っていくのだろうと予想したので、いちばんいいのは2階下手の真横の席なんだけど、そこは芝居自体が見づらいと思うから避けて、反対側もやっぱり見づらそうなので避けて、そうしたらこの辺かな・・・という消去法でした。

ところで、私は陰陽師と不死鳥よ波濤を超えて、で二回宙乗りを見ちゃってるのでなんか歌舞伎って基本宙乗りするんだなあみたいに思っちゃってますけど、多分違いますよねこれ。

さて。その本編なのですが、水滸伝といえばなんかたくさん登場人物がいる話ってイメージだったのと、家族がプレイしていた幻想水滸伝のイメージしかないので、もうこれは手っ取り早くイヤホンガイドだ、ということで、とうかぶのときに大変お世話になったイヤホンガイドを借りまして、幕前から解説を聞きながら本編に備えました。

結果、話の筋はとってもわかりやすい!ただ、キャラクターが大勢いるので、それを覚えるのはちょっと無理だ!という感じでした。

メインのキャラクターはもちろんわかるのですが、大勢並んだところを見るとおおー!と圧巻なのに、あれ、この背後の人って誰?とかが頻発します。

イヤホンガイドも紹介するとき大変そうだった笑

要は皆さん悪党なんだけど、それなりにいろんな理由があるんですよっていうのと、実は政治家たちも汚職やらなんやらで高官といえど中身は悪党と変わらないよっていう前提があり、そこで同僚にハメられて悪人にされた隼人くんがやって来るんだけど、その同僚がもっと酷い悪事を行った証拠を握ってるから、その同僚があいつを殺さないと!って躍起になってやってくるのを、みんなでやっつけるぜ!という話と、あと同時進行で敵味方に初めは分かれていた王英さんと青華さんの恋物語がサブストーリー。

壱太郎さん出てるから、ヒロインなのかなと思ったら姉御ポジションで、いわゆる恋のヒロインは笑也さんでした。

不器用だけど優しい王英さんと、二刀流で戦う武人の青華さんは、初めは王英さんが戦場で一目惚れして追いかけるんだけど、無理にお付き合いしよう、とかではなくて彼女が笑っていてくれたらいいなあ、ってお話ししたりしているうちに、青華さんの心が少しずつ寄っていくのが非常に可愛らしくあり、面白かったです。

それを応援して、手助けしてたのが壱太郎さん演じるお夜叉さんでした。

今回女役の人もヤンチャで男前に人が多いせいか、結構ドスの聞いた声で喋るので、台詞も聞きやすかったかもしれない。なるほどなるほど。

あとめっちゃかっこよかったのが、親分の留守を預かる姫虎の姉御!

貫禄ばっちり、美しくて強くてみんながちゃんと慕ってくれてるのがわかる!芝居をガッツリするシーンがたくさんあったけど、本当に綺麗で男前でした。隼人くんの林冲に凄んでいったところも可愛かったです。いい人。

そういえば、悪党ばかりの中で、唯一ピュアな善人である團子くん演じる彭玘は言ってみれば彼の熱意が林冲をはじめとした皆の心を動かすキーキャラクターではあるのですが、お亡くなりになるのが結構早い気が、します!えっ!退場ですか?!ってなっちゃった。仲間になるのかと思ったのに。

あと例の宙乗りですが、事前に龍に乗ってる写真などを見ていたので、大団円で飛んでくのかなぁ、などと思っていたら「今から走って行っても間に合わないけど、飛龍に乗れば大丈夫!」みたいな合理的な手段で出てきてびっくりしました。

だって陰陽師の時はお話が落ち着いたところで「お待たせしました!宙乗り、します!」って言って宙乗りしてたし、波濤を超えては所謂フィナーレで最後に飛んでく〜みたいな感じだったから、物語の中で必然性がある中典ってあるんだ!!!ってなりました(失礼)。

 

総じて、超エンタテイメント、夏休みにぴったりですね、という感じの演目。

歌舞伎らしさはちょっと薄いかもしれない、演劇っぽさが強いのかも。

でも私はその方がまだ見やすい域なので、有り難いかもしれないという。

南座でやるようなので、そちらでも無事千穐楽迎えられますように〜!