スタジオライフの観劇は、前回の「バタフライはフリー」以来です。
前回もそれはそれは厳重な対策の上での上演でしたが、今回も変わらず。
でも出演者は6人に増えました。それでも少ないけど。
さて、実は今回の「VAMPIRE LEGENDS」ですが、実は私が初めてスタジオライフを観劇した作品のリメイク版です。
なんと15年前(!)だそうで、その時はただの「ヴァンパイアレジェンド」。複数形ではなく、吸血鬼カーミラの男性版、ということで別作品のドラキュラと交互上演していました。
なつかしいな、まだ銀河劇場がアートスフィアだったころ。
当時いたく衝撃を受けてドハマりして、DVDも高額だったけど購入して、いまだによく見ています(いい買い物だった)。
その後、伴演されていたドラキュラは何度も再演されていたけど、このヴァンパイアレジェンドだけはずっと再演がなくて、見に行くたびにアンケートに「ヴァンパイアレジェンドが見たいです」と必ず書くというなかなか迷惑なことをしていたんですが、今回やっと再演!ということでわくわくしておりました!
で、今回は「VAMPIRE LEGENDS」ということで、複数形になっております。
なんと、男性版ゼーリヒバージョンと、原作まんまのカーミラバージョン、両方の交互上演とのこと。
しかも主演のゼーリヒ・カーミラは同じく松本くん。
はーこれは大変だぞ、会報で届いた公演案内のキャストへ目を通して・・・ん?あれ?となりました。
少ないんです、役が。
確かに会場であるウエストエンドスタジオのことを考えると、あまり大勢出せないのはわかる。けれど、私が見たときにまつしんやミカシュンといった若手ホープがやっていたヴェルトという青年や、ゼーリヒのお母さんの役がないのが「???」という感じでした。
開幕が近づくにつれ、流れてくる出演者の宣伝動画や情報を見る限り、倉田さんが脚本を一新したらしい、と聞いて「そうか」と思いつつ“これはもはや新作ですね!”という言葉に少し不安を覚えていました。
確かに私のみたヴァンレジェは、脚本もっと短く簡潔にできるよなーと感じたり、いかんせんやりたいことが散らばっていてまとまりがなかったんです。
同じことはドラキュラにも言えて、それが2年まえに再演されたときは時系列が整理、整頓されて、的確な演出と台本のおかげで上演時間もすっきり、こちらもスッキリという最高のものに仕上がっていたので、それに関してはそういう改変がされるという期待はありました。
でも、ドラキュラは役は減ってなかった。でもヴァンレジェはめっちゃめちゃ減らした。それが不安で不安で、待望の再演なのに私が愛したヴァンレジェと違う方向性になってたらどうしよう、という気持ちのまま、観劇初日。
結果、新作だったと、思う。
整理されて、よりゼーリヒがジョージを想う気持ちや行動がわかりやすくなっていたし、より現代のわれわれの感覚に寄せてくれたと思う。
あとこれは仕方ないのかもしれないけど、コロナのせいで演者同士が触れ合う瞬間が全然なくて、15年前はゼーリヒが猫みたいにジョージに寄り添って甘えるような感じがあって、それに戸惑いながらも受け入れていくジョージが好きだったので、そういった仲良しの二人が見れなかったのは寂しいなーと思いました。
あと、ゼーリヒのママがいないことで、ゼーリヒの孤独は際立ったけど・・・でもやっぱりあの年の青年が一人で森をさまようのは無理がある!笑
元々は馬車が壊れて・・・という設定があったけどそれがなくなるとすごくすごく唐突。いくらなんでも怪しむでしょ、これは。
あとゼーリヒのママもアップデートして出せそうだし、これはコロナ終わったら大きな劇場でたくさんキャスト使ってやってほし。。。
ヴェルトもほしいじゃん、ね??
でもヴェルトが言葉だけで語られることで、ゼーリヒがジョージを一番大切にしていることはわかったし、前回見たのより、ゼーリヒがジョージに手を出すことが少ないので逆に大事にしている、生きるためにヴェルトは捕食したけどジョージは違うよ、みたいなそういうところが見えたので、12年前にあってからゼーリヒはずっとジョージが好きだった、というまっすぐな芯は一本見えたかな、と。
あと「行かなければなりません」「ここにとどまることはできない」の言葉がより生きたので、ここで語られないけどジョージがヴァンパイアなんだって気づけたし、そのあとの撫でくりまわしキスシーンはすごくよかったです(←)。
結果、これは私の好きだったヴァンレジェとは別物だけど、新しいヴァンレジェとして大いにあり!というかこの脚本演出だとおそらく女性版、カーミラ編のほうがしっくりきそう、という予想があります。
ので、来週カーミラ版を見るのが楽しみ!
スタジオライフの吸血鬼は、やっぱりいいなぁ。