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歌劇(ヅカ.OSK)オタでジャニオタでアニオタの独り言。スタジオライフ、2.5次元も嗜みます。主観で好きなことを好きなだけ書いてます。

【観劇】近松TRIBUTE〜近津門左衛門物語〜【OSK日本歌劇団】

年の瀬、久しぶりに大阪遠征してきました。

OSKの近松TRIBUTE。

劇場で出迎えてくれた近松門左衛門もとい、桐生さん

あらすじを読むと、どうやら近松さんのお話らしいけど、忠兵衛さんと梅川さんがいるということは、劇中劇みたいになるんだろうか…?と思いながら劇場へ。

今回、3面舞台という形式で、張り出した舞台面を前方と両サイドの客席が囲んで見下ろすような感じ。これが結構面白くて、あと見やすかった。

舞台後方はほとんど使わず、張り出した部分で踊ったり芝居をしたり、客席側の通路から人が出てきたり履けて行ったりなんてものあったので、より一層物語の中に自分が入り込んだような不思議な感覚になります。

お話自体もとっても面白くて、これができるのがOSKだな!と大満足の仕上がり。

あらすじの通り、近松さんがどのようにして数々の作品を書き上げたのか、どうして書いたのか、というのがメインなんですが、途中で当時麻疹が流行って文楽が上演できないなんて話とかもあり、なんとなぁく今の状況と似ている部分もあってしみじみと思いました。

出演者は少ないはずなのですが、作品を作るピースというか、一人一人がとにかく頑張っていて、OSK らしい清々しい味を出していたように思います。

桐生さんは情感たっぷり見せつつ、軽い部分もあり、さすがお見事。歌も心まで染み渡るような感じで、聞いているととてつもない充足感が。

その相手役、というか近松さんと古い縁の井筒屋おえんさんは城月さん。美しさと芝居の達者さが見ていてとにかく安定しているし、桐生さんと並ぶとお似合いすぎる。実は近松さんとおえんさんは、ラブラブピンクの恋仲!というわけではないんだけど、最後の最後で「やっぱり一緒になろうか」という流れになるのがとても良かったし、その時に近松さんをペシペシするおえんさんがとても可愛らしくてまた良かったです。

忠兵衛さんは華月さん。近松さんの作品「封印切り」に出てくる飛脚の忠兵衛さん。芸者の梅川さんのことを身請けしたくて、お客さんのお金に手をつけようとする、というのを、そうしないでも梅川さんと一緒になれるように近松さんたちが一生懸命サポートしていくんですが「だったら大々的に物語にしちゃえば、嘘かホントかわかんないし、物語の中で二人は死んだことにしちゃえば、前の話(それもまた実際の事件をもとにした心中話のこと)みたいに納得するよね」という感じでした。

梅川さんは唯城ありすちゃん。可愛いー!可愛いけど、あんまり演技のしどころはなくて、存在感だけで納得させなくちゃいけないから難しい感じでした。印象にはとっても残るんですけど。

で、近松さんのことが好きらしい、竹本義太夫が登堂さん。コミカルっぽい芝居をとっても楽しそうにやっていて、時間を稼がなきゃいけないところも実に楽しそうに客席と絡んでやってました。物語の中の中心というよりはちょっと狂言回しというか、引っ掻き回す薬というか・・・美味しい役かもしれない・・・笑

あとは朝香さんが近松さんのお母さんとかをやっていて、何より花魁道中をね!やってまして!

私たまたまかぶりつきで見られる席だったのでじっと見つめさせていただきましたが、いやーため息出ちゃった。美しい。

そして、この話、ラストに洋舞レビューがついてるんです。

舞台写真を開演前に見て、あれ、フィナーレあるんだーって思ったんですが、フィナーレっていうより話の延長戦・・・?

近松が大阪道頓堀で生み出して育っていった話がたくさんああるね、という話から、その後、OSKのレビュー文化が生まれました!という少々無理矢理感はありつつも、まあそうだよな、大雑把に言えば、そういうことだな!という感じで、洋舞レビュー、でもそれも近松の作ったお話にちょっとかけて、三面舞台を所狭しと皆さんが踊りまくっておりました。

チャイナ娘の花ちゃん初め娘役さんたちが可愛らしくて眼福でした。BPとかでもこういうのやってほしいなー狭いけど。

そしてラスト、桐生さんのご挨拶「こんな状況下で舞台に立てることはあたりまえではない、ここにいられて幸せだし、見にきてくださってこんなに温かい拍手をくださるお客様がいてくれて嬉しい」という趣旨の話をされてましたが、本当に桐生さんの言葉は胸にずんときます。泣きそうになっちゃった、こちらこそありがとうございますだよ・・・!

 

実は結構弾丸ツアーだったんですが、大阪遠征して大正解の演目でした。とってもとっても満足できた作品です。

東京でもやってほしい!